取材した事例の中から、印象深かった社長の言葉、スタッフの仕事への取り組み方など、ビデオでは伝えきれない取材こぼれ話や裏話、最新号の情報などもお伝えします。

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■沖縄教育出版 編

皆さんこんにちは。皆さんの回りにも新入社員が入ってきましたか?新しい人の緊張ぶりは初々しくていいですね。新しいことに対する期待と不安。挑戦するからこそ得られる宝物です。私も挑戦心を忘れず頑張っていきたいと思います。

さて、今回発売するDOIT!78号は、沖縄の通販会社を特集しました。3月の撮影時はもう桜も散って、半袖を着たくなるような暑さでしたが、それ以上にこの会社は「熱い」ものがありました!沖縄教育出版は、出版と名前がついていますが、今は自然健康食品の通販がその中心ビジネスです。10年前、社長の川畑さんがガンを宣告され、健康のこと、家族のこと、働くということを見つめ直し、世の中に役立つことをしようとスタートしたのが、薬草「ウコン」の通信販売です。それまでは儲けることや事業を拡大することばかりを考えていた川畑さんでしたが、それも根底から見直します。そして到達したのが「人間尊重の経営」。人間には○もあれば×もある。不完全なものなんだから。それを認め合い、そしてお互いに高めあいな
がら生きていこう。一度限りの人生なんだからイキイキと働き、豊に生きていこうと、人間尊重をテーマにした会社づくりを始めます。

沖縄教育出版のスタッフのほとんどはパート社員ですが、本当にイキイキしています。自分で目標を決めるし、自分で会議に参加する、そして自分達で話し合って会社をどんどん良くしていこう、お客様に感動してもらおうと頑張っています。一緒に働いている知的障害者の人も元気です。仕事以外でも、朝礼の場でみんなの前で話をしたりすることもあるのでたいへんですが、それも「成長のチャンス」だととらえて、一生懸命頑張ります。話しが詰まることもあるのですが、沖縄教育出版の人は温かく見守ります。時には1時間を越えることもあるという朝礼は、雑誌などに取り上げられるほど有名ですが、この会社にいると本当にいつでも「成長」することが出来ます。

私も撮影前に、取材のお願いに行ったとき、突然「せっかくですから講師になって皆の前で話をしてください」と言われて、 突然、 勉強会で話をすることになって、ドキドキした経験がありますが、この会社はいつもこんな感じです。新入社員がいきなりチームのリーダーになったり、新事業の立ち上げに参加したり、毎日、それぞれの人が、いろんなことに挑戦してどんどんと成長していこうとしています。人が一生懸命、そして夢中になって仕事をしている姿は本当に美しいですね。、私自身すごく胸を打たれ、刺激を受けました。

期待に胸を膨らませていたはずの新入社員がいつの間にか、サボることを覚え、諦めを覚え、妥協をしながら仕事をすることに染まり、いつか「そこそこやること」が普通になっていく・・。こんな仕事は、こんな人生は絶対面白くありません。いつも新しいことに挑戦し、ドキドキしたり、あせったり、恥をかいたり、そして誰かに助けてもらって涙を流したり・・・そんな仕事ぶりは、あぶなっかしさもあるかもしれませんが、その人にとっては素晴らしい体験になるはずです。職場は心豊かな人間になる道場のようなところかもしれません。沖縄教育出版の編集を終え、改めてそんなことを感じました。

新入社員の皆さん!仕事の素晴らしさ、働くことの素晴らしさをぜひ早く見つけてください。
一生懸命やればやるほど楽しくなります。そして共に熱く生きていきましょう!


三宅医院 編

皆さんこんにちは。DOIT!編集部の西川です。
今回のDOIT!77号で紹介するのは岡山の産婦人科「三宅医院」さん。ビデオの冒頭から最後までかわいい赤ちゃんや子供の姿がいっぱいです。

三宅医院は岡山ではナンバーワンの分娩数を誇る全国でも有数の産婦人科です。地元ではクチコミが広がり出産希望者がどんどん増えている産婦人科ですが、私たちが一番驚くのはそのコンセプトです。普通、病院は用事があっても行きたくない、考えただけでも憂鬱な気分になる場所ですが、この三宅医院はその常識を根底から変える病院です。明るく楽しく元気になれる病院。ディズニーランドのように何度も行きたくなる場所をつくろうと、院長以下、100名近い職員ががんばっています。

もちろん妊娠、出産は病気ではないので、普通の病院とは事情は異なりますが、三宅医院は本当に楽しい病院です。明るいスタッフの笑顔、患者本位で徹底されるサービス、病気でなくても気軽にこれるイベントなど、従来の病院はもとより、一般のサービス業をも圧倒するホスピタリティマインドがこの病院の特徴です。「患者さんの希望に出来るだけ応えること」。これがスタッフのモットーです。満足するお産をしてもらおう、充実した出産をしてもらおうと、様々な役割の人たちが、精一杯のお世話をします。ひとつひとつは小さな気配りや心配りなのですが、産む人の立場にたったスタッフの気持ちにみんな感動するそうです。今回は三宅医院さんとお客様のご協力のおかげで、出産の場面を撮影することができました。命が生まれる瞬間。それは本当に素晴らしいものでした。それ以上にその感動の瞬間に向かって、患者さんに喜んでもらおうとがんばるスタッフの皆さんの気持ちにも涙が止まりませんでした。カメラを担当したスタッフの嶋村君も涙ボロボロ。その貴重な映像が今回の作品をさらに力強いものにしてくれました。ぜひ楽しみにしてください。

三宅医院は、開業以来、お客様の声にどんどん応えてきました。子供の熱が出たので見てほしいという声に、小児科をつくり、赤ちゃんが出来ないので相談に乗ってほしいという人のために不妊外来をつくり、歯科や内科、眼科に皮膚科と、お母さんと子供のための診療科がどんどん増えています。生まれた時から同じ先生、同じ病院。家族のことを知ってくれる病院は消費者にとって本当にかけがえのないものです。顧客のロイヤルティはどんどん高まっていきます。「生涯顧客」という言葉がありますが、三宅医院の患者さんは、本当に生涯のお客様です。地域密着の医療、顧客との深い関係づくりのマーケティングが展開されているのです。

少子化で患者の数が減り続ける時代、増えすぎた病院が淘汰される時代、CSが本当に差別化の鍵を握るようになった時代。病院経営は厳しい時代を迎えています。今回の事例はそんな競争時代の新しい経営、我々が目指すべき経営のヒントがたくさんあるように思います。私自身、今回の取材を通して本当にいろんなことを学ばせていただきました。もしよろしければ、ぜひご覧になってみてください。

   
 

かぶらやグループ 編

DOIT! 編集部の西川です。12月号のDOIT! がようやく完成しました!この瞬間がやはりほっとしますね。
今回は久しぶりの飲食業界。「かぶらやグループ」という創業10年の若い会社です。名古屋と東京に「飯場」「べこたん」「ねじべい」「CHINA5°」など様々な業態で飲食店を展開しているかぶらやグループ。(名古屋地区の皆さんご存知でしたか?)
元気な企業があるという噂を聞いて、東京の「飯場」銀座店に行ったのが数ヶ月前。元気で明るく、そして自由にのびのびとした接客やスタッフの楽しそうな笑顔にいたく感動し興味を持ったのが始まりでした。「うちにはマニュアルがないんですよ」。取材を進めていく中でかぶらやさんの社員中心の経営、人間がキラキラ輝く人間力経営の面白さがわかってきました。
確かにマニュアルでやれば平均点は出せるでしょう。しかしやればやるほど、力を注げば注ぐほど、作りあげたマニュアルを守ることに重点が置かれるようになっていって、社員のお客様に対する自由な行動や発想、そして仕事に対する面白さが失われて行くように思います。マニュアルに反することをしないという意識が、知らず知らずに、社員の積極性や仕事の楽しさを奪っていっているのではないでしょうか。
取材の中で、何人かのかぶらやグループのアルバイトさんにインタビューをしたのですが、皆、本当に生き生きしていました。マニュアルがありませんから、やり方は自分で考えます。どうすればお客様が喜んでくれるか?どうすれば仕事が面白くなるか?「どうせアルバイトだから…」と白けている人は一人もいません。お客様もその雰囲気がわかるのか、実に楽しそうです。そしてそのお客様の態度に働く人が勇気付けられ、また楽しませようと方法を考える・・・。
このサイクルがこの会社の接客をどんどんグレードアップさせていくようです。インタビューを見ていただければわかりますが、かぶらやのアルバイトの人たちの仕事への取り組み意識は相当なものでした。マニュアルなんて意味が無い。お客様が喜ぶことは何でもやっていい!こうした風土は、これほどまで人を積極的にさせるのか…。人間を信頼し、尊重する経営の可能性は無限大のようです。
取材を通して改めて、時代が変わって来ていることを実感します。
業務の効率化とか、生産性を上げるとか、標準化だとか、これまで錦の御旗とされてきたテーマは、確かに素晴らしいものでした。今なお重要な課題であると思います。しかし、同時に何か大切なものを失ってきたようです。
人間が人間らしく生きる。単純ですがこれからの経営で凄く大切なことではないかと思うこの頃です。
DOIT! 編集部 西川敬一


益田ドライビングスクール 編

皆さんこんにちは。DOIT! 編集部の西川です。
皆さんは自動車免許をどんな学校で取りましたか?最近は外車で教習だとか、合宿で遊びながら取ろうだとかいろんな学校があるそうですね。CSに対する意識も以前とはだいぶ違っているそうです。昔私が免許を取った頃は、生徒はお客様という意識などまったくなかったように思います。教官がやたら偉そうだったという記憶しかありません。今回はそんな自動車教習所の業界を取り上げました。

■地方企業が始めた挑戦!日本初の合宿型教習
島根県益田市は人口5万人の小さな町。東京からの飛行機は1日1便。電車では9時間以上もかかる不便な場所です。そんな辺鄙な場所にありながら卒業生数年間6000人、全国でもベスト10に入る元気な教習所がこの「益田ドライビングスクール」(以下MDS)です。40年前、島根県5番目の自動車教習所としてスタートしたMDS。時代と共に発展を続けていきますが、高い免許普及率、若者人口激減という時代に入ると、地方都市ほど経営が苦しくなります。何とかできないか?その時MDSが考えたのが合宿型の教習システムです。まわりにお客様が居ないなら豊富にいる都会から連れてこようという大胆な発想。MDSの経営は大きな転機を迎えました。

■「温かい心」「優しい心」を育む教習所
「人間として大切なものを学んだ」「人の為に何かをすることの素晴らしさを知った」・・・。MDSには毎日、卒業生からこんなコメントが届きます。この学校の凄さは、卒業生の口コミに代表される感動のサービスです。しかしMDSが言うサービスはお客様をただチヤホヤすることではありません。「素晴らしい心を持ったドライバーになってもらいたい」という理念のもと、合宿生活を通して生徒に様々な体験をさせます。その中心が「ボランティア活動」と呼ぶ校内掃除やトイレ掃除。自分達で使うトイレは自分達で掃除する、考えてみればあたり前のことですが、生徒はこんな体験を通して何かを発見していくようです。茶髪にピアスの青年が黙々と掃除する姿は本当に感動的でした。

■MDSマジックと呼ばれる感動の理由
MDSの校内を少し歩くと学生達が元気な挨拶をしてくれます。挨拶もこの学校のテーマです。共同生活を通して、人が本来持っているはずの「美しい心」を引き出してあげよう。自信や勇気を持って帰ってもらおう。そんな想いがMDSに溢れています。運転技術だけを教える学校とはひと味もふた味も違っているよう
です。挨拶、掃除、サンキューカード、Mマネー。MDSが仕掛ける「美しい心」のための様々なイベントに生徒の心はどんどん変わっていきます。そんな感動を生徒は「MDSマジック」と呼んでいました。生徒たちのインタビューをたくさん取材してきましたので、ぜひお聞きください。

「若い人に生きる勇気をもってもらう」。これがMDSの創業者で会長である小河二郎さんの願いです。小河さんは「今の若者は世間で言われるほど荒んでいない」とおっしゃっています。正しい環境をつくってあげれば挨拶をする、嫌なことでも積極的にする、親を大切にする、掃除もするというのです。人が生まれながらに備わっている素晴らしい心を信じること。そこにMDSの経営の根幹があるようです。マニュアルや就業規則でしばりつけなくても、人は素晴らしく活躍します。今回はそんなことを学ばせていただきました。毎回、すごく勉強になります。本当にいい仕事ですよ〜!(DOIT! 編集部 西川)

   

セブンプラザ 編

鹿児島の電器店の皆さんに?元気?をもらった!
DOIT! 編集部の西川です。皆さん夏休みはいかがお過ごしですか?今回は鹿児島に撮影に行ってまいりました。今回のDOIT!で紹介する企業は「セブンプラザ」という家電店のチェーンです。このチェーン店は普通のフランチャイズのような組織ではなく、小さな店が集まって、お客様本位の商いを開き言葉に、お互いに切磋琢磨しながら厳しい環境を乗り切ろうと頑張っているグループです。集まっている店は、松下電器などの系列のお店など、いわゆる街の電器屋さんですが、ここ数年、急速に加盟数が増え、量販店の攻勢で経営が悪化して廃業の危機に瀕した家電店が最後の望みをかけて参加する「駆け込み寺」のようなチェーンです。しかしここに加盟するとどの店も見違えるほど業績があがるということで今。全国的にも注目されていて、私たちが興味を持ったのも「家電不況」「地域店劣勢」が叫ばれるこの時期に「何故そんなに業績があがるのか?」という理由からでした。取材交渉で初めて鹿児島を訪れて、本部のある鹿屋市で山口貞利社長のお話を聞いたとき、「新規加盟店の業績推移」という表(この表はビデオでも紹介)を見せて戴いたのですが、その表には、加盟後数ヶ月で前年比150%とか、300%とかという凄い数字が並んでいました。私は思わず「これは本当の数字ですか?」と言ってしまいましたが、どうやら本当の数字のようです。セブンプラザに加盟すると店を改装し品揃えをやり直し、接客やサービスを変え、気持ちを新たに再出発するのですが、しかしたったこれだけでうまく行くものなのか?量販店が撤退した訳でもなく、スタッフが増強された訳でもなく、商圏人口が増えた訳でもないのに、前年比200%とか300%というのはどういう理由なのか?今回のDOIT!で追求したのはここです。量販店に行かなくても本当は近くで買い物をしたいというご近所のお客様のニーズをしっかりと吸収したこと、訪問販売型商法を店頭来店型に変えたことなど、品揃えや店づくりを従来の家電店にはないシステムにしたことなど、解説者的に言えばこんなことになりますが、取材を通して実感したのは「売る人の気持ちが明るくなったこと」が最大の業績向上のポイントのように思いました。メーカー都合が優先しがちな従来の売り方を根底から見直し、本当のお客様本位の商いを実践することで見えてきた「未来への希望」。同じ課題に立ち向かう仲間がお互いに経営数値を公開しながら、本音で語り合うことで得られる「安心感」。そして量販店へ流れていたお客様がだんだんと戻ってきてくれたことに対する「喜び」・・・・。セブンプラザに加盟した人たちの「明るさ」はこの不況の時代の日本に希望を与えてくれる感じがします。セブンプラザの取材を通して・・・。お客様は不況だから買いたくないと言っていませんでした。量販店だけがいいとも言っていませんでした。小さな店が頼りないとも言っていませんでした。お客様の声にキチンと耳を傾けて、素直に応えていけば大きくは儲からないかもしれないが、確実に業績を上げることができるのです。「不況だから売れない」というのは嘘。「打つ手がない」というのも嘘。まだまだやることは山のようにあるはずです。がんばりましょう!日本の中小企業の皆さん!
(DOIT! 編集部 編集長西川敬一)。


BAGZY 編

泣いてしまいました・・・。
DOIT! 編集部の西川です。今回ご紹介するのは、北九州で美容室を展開する「BAGZY」という企業です。バグジーの経営理念は「敬愛」。お客様だけではなく、仲間に対しても、世の中に対しても「愛」(優しさ、思いやり、気配り・・)を持って対応しようと、全員が一丸となって人間力づくりに取り組む美容室です。人間力づくりなんて言葉でいうと少し堅苦しいのですが、経営者の久保さんのモットーは「利より信」。経営の目標は利潤の追求ではない。もっと大切なものがあるというのが久保さんの考え方です。でも数年前までは考え方は180度違いました。「経営は結果がすべて」「勝てば官軍だ」。こんなイケイケの経営者が考え方を変えたのは右腕と信じてきた幹部の退社です。せっかく育ててやったのに何だ、と従業員に怒りをぶつける久保さんにある人が「従業員に責任はない。すべては経営者の問題だ」とアドバイス。
社員を大事にしていなかった・・・。そこから久保さんは変わりました。社員が幸せになること、辞めずにずっと働ける環境をつくること、徹底した従業員第一の考え方に変わったBAGZYはそこから急成長を遂げます。人は定着するようになり業績も毎年120%ずつ伸び、店もどんどん増えてきました。利益を追い求めなくなったとたん、利益が出るようになったというわけです。
そんなBAGZYで働く人はみんな本当に充実感をもって働いていました。お客様だけでなく、社員同志が心から相手を思いやり、励ましあう、優しい人達の集まりでした。取材中、自分のことより他人のことを心配する、気にかけるスタッフの優しさに私は何度も涙が出てきました。こんな店が繁盛しない訳がない。人が辞めるわけがない。本当に愛と優しさが溢れる美容室です。
繁盛店とか成長企業は極めてシンプルな原則で動いている、最近つくづくそう感じます。
「経営の目標は利潤の追求ではない」「もっと大事なことがある」。最近の取材企業の経営者の言葉には共通のメッセージがあります。彼らは格好をつけて利益がいらないと言っているのはありません。それよりも大事なものを子供のように純粋に追い求める経営者、それに共感して自分のために頑張る従業員。仕組みとか理論を越えたところにある世界です。
これまで経営は利益を上げること、効率を高めることなど非人間的な難しい理屈で語られてきましたが、こんな人たちに出会っていると、もうそれは遠い過去のことのように思ってしまいます。単純に「人間としてどう生きるか」「どう人(お客様や社員、社会)と関わって生きようとするのか」。企業の不祥事についても糾弾されている内容は「その行為は人間としていかがなものか」ということです。人間を考えることが経営の大きな問題になってきているような気がしてなりません。
DOIT! で取り上げる企業だけがそうなのかもしれません。皆さんはどう思われますか?
BAGZYの取材でいろんなことを考えさせられました。
今回たくさん泣きましたが、なかなかさわやかな心境です。働くことは面白いですね。
(DOIT! 編集部 西川敬一)

 

ほてる大橋 編

新潟県の岩室温泉は、上越新幹線の「燕三条駅」からクルマで30分ほど海側に走ったところにあります。近くには弥彦神社という名所がありますが、そんなに知名度は高くないので知らない人も多いのではないでしょうか?DOIT! 72号は、この岩室温泉の「ほてる大橋・館の湯」という温泉旅館です。部屋数は52、パートさんを含めて従業員100名ほどの中規模のこの旅館は数年前からひとつの改革に取り組んできました。それが従業員の手によるボトムアップの経営、逆さまのピラミッド組織による顧客志向の経営です。女将や社長の個人能力に依存した経営では限界がある、トップが倒れても、時代変化が来てもビクともしない強い体質を持った企業づくりがしたい…。ほてる大橋の経営改革はそんな思いからスタートしました。そしてその柱になったのが「日本経営品質賞(JQA)」。DOIT!の読者ならお馴染みのあのプログラムです。お客様の声をあらゆる部門で収集する仕組み、カテゴリーに沿って編成されたチーム活動で改善する仕組みなど、ほてる大橋の経営改革にJQAは大きな影響を及ぼしたようです。ビデオ取材中もチーム活動を取材しましたが、いろんな職種、肩書きの社員同士が意見を述べ合う風景は素直に「いいな〜」と思いました。また夕方の宴会時間ともなれば旅館のバックヤードは戦争状態になるのですが、ほてる大橋では忙しい中にも笑顔が飛び交い、お互いに助け合うチームワークがあって、いわゆる「殺気立つ」雰囲気はありません。ザ・リッツ・カールトン大阪もそうでしたが、チームワークはこうしたビジネスには不可欠な要素です。顧客満足はバックヤードから始まっているのだと改めて思います。社内の不協和音や不満足はどこかでお客様に伝わります。バックヤードの笑顔づくり、これが管理者の役割かもしれません。最近はこうした「風土」そのものが「経営」という気がしてなりません。商品が良い、CSが良いとか、仕組みが良い、と部分が良いだけでは駄目なのでしょう。総ての要素からにじみ出る風土という「風」こそが最高の競争力なのでは? 最近よくそんなことを考えます。ところで撮影の間に入らせて頂いた温泉は最高でした。「今度は撮影じゃない時にゆっくり来よう!」いつも思うこのフレーズがまた浮かんできました。でもほんとうに温泉はいいですね。湯船でぼ〜としている時、つくづく日本人に生まれてよかったな〜と思います。今度の休みは温泉に行こう!(DOIT!編集部 西川)。


三重県 編

DOIT!ではこれまで様々な業界のCS先進企業を取り上げてきましたが、この度初めて「行政」、「自治体」にスポットをあてました。自治体においても数年前から、「住民満足」という言葉や「行政経営品質」という言葉が注目を集め、民間企業のCS経営を行政に取り入れようとする動きが活発になってきています。今回取材させていただいた「三重県」は自治体の中でも行政のシステム改革に早くから取り組み、その成功モデルとして注目されている自治体で、北川知事のリーダーシップとともに、その動向が注目されているところです。今回、DOIT!の取材依頼にも快く引き受けていただき、少しでもお役に立てるならと、総て公開していただくことができました。はじめは、「県庁の中をビデオで撮影するなどということは前例がない」と断られるだろうと思っていましたが、それこそ私たちの認識不足。三重県の改革は旧い「お役所体質」をとっくに払拭していました。また、撮影当日も、ぶっつけ本番で行うDOIT!流の荒っぽい撮影方法(自然な言葉を引き出すために、事前に質問内容をお知らせしない)にも関わらず、総ての職員の皆さんが、嫌な顔ひとつせず、自分の言葉で語っていただけたことも私たちにとっては感動したことのひとつです。お役所、お役人というとどうも「固い」とか「融通が利かない」など思いがちですが、三重県の取材でそんなイメージが一新しました。発想の原点を「生活者」に置く「生活者起点の行政改革」は、旧い文化を壊し、新しい文化をつくり出しているようです。私たち民間企業でも、「前からそうだから、今も続けている」ことや、「このやり方の方が儲かるし、企業にとって都合がいいのでそのままにしている」ということが沢山あります。顧客満足を考えたとき「新しいやり方がお客様にとって良い」とわかっていても、上司に歯向かうことを躊躇したり、過去から続く「慣習」についつい従ってしまうのが、普通の感覚でしょう。しかし、三重県の職員さんは、勇気を持って「自己否定」し、改革に踏み出しました。私はそこに感動します。「自己否定」することは本当に勇気がいることです。私もなかなか出来ません。その辛く厳しい活動に取り組んだ三重県の皆さんに敬意を払います。このビデオは全国の自治体の方にも見て頂きたいと思いますが、民間企業の皆さんにも見て頂きたいと思います。進むべきビジョンがハッキリすれば改革は進み出します!組織の中で孤独に改革の戦いをしている皆さん、頑張りましょう!DOIT!はそんな“サムライ”を応援します。